ドイツで出産体験④早産になっちゃった

妊娠・出産
めしママ
めしママ

こんにちは。
今回はドイツで早産になった時のお話をしたいと思います。
基本方針は ”日本とあまり変わらないのかな” というイメージですが、何しろ初めての経験。そこに所々ドイツらしいエッセンスが加わり、てんやわんやな出産体験になりました。

次男
次男

僕は予定日より約6週間早い、34週で産まれてきたよ!
ママが陣痛で病院に電話しても、前駆陣痛だと思って信じてもらえなかったんだって。大変だったね〜。

早産とは

まずそもそもの早産ですが、日本では妊娠22週〜37週未満を早産というみたいです。
そしてドイツでもどうやら37週未満を早産と定義しているようです。
ただ、実際に目安としているのは「35週」というイメージでした。
早産になりそうとわかった時、ドイツの産婦人科で言われたのは、以下の通りです。

産婦人科医
産婦人科医

35週を越えればいつでも産んで良いが、越えてなければ持ちこたえて欲しい。特に肺の機能が不十分になる可能性があるので、もし確実に35週を越えられないと診断される様であれば、赤ちゃんの成長促進剤を母体に打って、肺の成長を早めます。ただ吐気や頭痛など、母体に副作用が出る為、なるべくやりたくはありません。また、その注射はちゃんとした病院でないと打てないものなので、打つ必要がある場合は、産む産院に通院しなければなりません

と、とにかく「35週」が合言葉でした。
日本で早産になった友人に聞くと、同じ事を言われたと言っていたので、きっとこの辺りは同じ感じなのだと思います。

早産になりそうな時の対応

私は33週の時点で通っていた産婦人科で「早く産まれそう」と言われました。
その時基準にしていたのが子宮頸管の長さ。
本来であればこの時期の産道は2.5〜4cmの長さが閉じてなければいけないのに、赤ちゃんが降りてきていて、私の場合2.6cmしかない。という事で「まだ2.5cm以下にはなってないから、様子を見ましょう。家で安静にしていて下さい」といわれ、薬を処方されました。

その時の処方されたものがこれ。

マグネシウムの粉薬

レモン味のマグネシウムの粉薬(1日3回)と、膣座薬(夜寝る前)です。
膣座薬!?何それ!?て感じですが、その名の通りです。。

本来は2週間に1回の検診時期でしたが、「来週また来て様子をみます」と言われました。
そして次の週(34週1日前)行くと…2.0cmになっていました!

産婦人科医
産婦人科医

内診したら頭さわれちゃったから、押し込んどいたわ!

と言われました。押し込めるんかい。
にしても、こらあかん。
と、産婦人科の先生が出産する病院へ「そちらでも検診した方が良いかどうか」の確認の電話をしてくれました。
答えとしては「あと1週間だし、まだ2cmあるので、様子を見ましょう。こちらへは来なくて大丈夫です。家で安静にしていて下さい」という流れになり、「また3日後に来て下さい。経過を見ます」となりました。

そして、その次の日産まれました

早産での出産

私は陣痛が始まり病院へ行きました。
そしてお産が始まっている事が確認され、説明をされた時に言われたのは以下の通りです。

助産師さん
助産師さん

とにかく35週未満なので、バキュームなども出来ません。進行上無理だと判断したら、すぐに自然分娩は中止します

その時、私はもう陣痛で意識が朦朧としてたので「なんでもいいですー!」という感じだったのですが、あとあと考えるとこれは案に「ダメだと思ったらすぐ帝王切開にするからね」という事でしたね。
入院中早産だった方に何人かお会いしましたが、みんな帝王切開でした。
もともと帝王切開率がかなり高いらしいドイツ。
早産で普通分娩で済んだ私は、むしろ「え!?なんで!?」と会話した早産仲間なお母さん達から驚かれました。

早産、産まれた後の対応(入院中)

①産まれてすぐは母子別室

まず、本来ドイツでは産まれたらすぐ母子同室になるようですが、35週未満の場合は別室になります。
そしていつでも、会いたい時に会いに行くスタイルでした。
まず呼吸補助の為鼻から酸素を送る管をつけて、心拍などを確認する管をあちこちにつけて、栄養チューブみたいなものも付けてました。その時の様子がこちら。

痛々しいですねぇ。
次男君は2280gでしたが、同室の子は3人、みんな産まれた時1000gちょいという小ささでした。。
次男君は黄疸も発症したので、途中紫外線照射も行ったり、糖質代謝のテストやビリルビン(黄疸の為の)テスト等も行いました。
(「アジア人あるあるよ〜気にしなくて大丈夫よ〜」と言われました)
母乳は搾乳し、持っていきました。チューブで鼻から入れて、可能であれば哺乳瓶や直接授乳、といったことも行いました。そして時間がある時はカンガルーケア(胸の上に抱いてひたすらぼーっとする)をしました。

面白いなーと思ったのは、これ。

この布。ただの日よけかな?と思って聞いてみると、「母体の中を再現している」との事。
暗がりを作って、たまに外からライトを布越しに照らすと赤黒くもやっと光って、まるで体内にいる時の様子で落ち着くのだとか。
ほんとかなー?と疑り深い自分はおいといて、なるほどなー、と思う一場面でした。

母退院、通院生活

そして、母親は2泊3日で退院。子は残されます。
(私は子供がまだ退院出来ないのを理由にもう一泊延長できたので、3泊しましたが)
その後、通院。
家にいる間は搾乳し、それを毎日病院へ届けに。
そのまま、午前中・昼・午後、と3回の授乳をしてまた家に帰ります。
私は9:30〜17:30 で通いましたが、この辺りは自分の都合で自由に決めていい、と言われました。
同部屋の子のお母さんも、産後1カ月経ってましたが、毎日通ってるようでした。
また、私が生んだ病院(Klinikum Dr.Dritter Orden)は、敷地内にこういった事情の母親のための宿泊施設みたいなものもあるそうです。
私は家が近かったので通いましたが、遠い方はそこに泊まることも可能だそうで、実際そこに1カ月住んでる、というお母さんにも会いました。
早産になりそうで危険!と判断された人なんかも泊まるみたいです。

母子同室

そして突然やってきた「母子同室」宣言。
通院生活3日目の朝、いつも通り行ったらいきなり言われました。

看護師さん
看護師さん

子の調子が良いから、退院に向けて母子同室でしばらく過ごしてもらって様子をみたいのよー
ってことで、今日から泊まって行く事、可能?

まさかの面会に行ったら自分が入院、という事態に!せめて事前にその可能性がある事教えてくれ!
急遽パパに荷物を持ってきてもらい、長男に怒られながらの再入院となりました。
その子の状態にもよると思いますが、呼吸の補助が必要なくなったらこの段階に入るようです。

そしていきなり同室生活スタート。
子の授乳、オムツ替え、体温計測などなどが急にやってきました。
この期間中に、内臓や脳、股関節、脊髄のエコー診察や、聴力検査といったものも行いました。(本来U2として小児科で行ってもらうものだと思います)

そしていつ退院出来るかは子供次第。
基本、下記項目がクリアできれば良いそうです。(病院や地域によって違いがあるのかはわかりませんが)
✔︎ 妊娠35週を越えている※
✔︎ 自分で呼吸がしっかり出来ている
✔︎ 黄疸がない
✔︎ 母乳をしっかり飲めている

※次男の場合は、34週での出産だったので、産後1週間は入院しなければならない、という事でした。31週で産んだ人は4週間入院してました。

ただし次男は産後2週間まで退院できませんでした。
その最後までなかなかクリアできなかったのが、母乳。
「1回の授乳で◯ml」という基準があり、それをクリアしなければなりません。
でも早産で小さい子にはなかなかな無理難題。
授乳で飲みきれなかった分は鼻から胃に通したチューブであげました。
こんな感じ。

1分間に1ml 流し込む、という気が遠くなるなる作業。
最初の頃はこれで30ml=30分以上かかってました。。
でもこれをクリアしなければ家に帰れないので、毎回本当に必死で授乳しました。

早産、産まれた後の対応(退院後)

退院すれば、あとは他の子と同じです。
普通に赤ちゃんとの生活を楽しみます&頑張ります。

ただ一点違ったのは、ヘバメさん。
今回私はヘバメさんを見つけられてなかったのですが、今回早産ということで病院側が心配し、「看護師御宅訪問システム」を用意してくれました。
その名の通り、退院後1週間経った頃、看護師さんが家に来て、不安や疑問に思うことはないか、と聞いてくれるものです。
ありがたいシステムです。

まとめ

1、目指せ35週!!!!
2、あくまでも「母体」と「赤ちゃん」は別カテゴリー 
3、「母体」はあっさり、「赤ちゃん」はじっくり

まずは目指せ35週です。ここを越えるか越えないかで入院スタイルもだいぶ変わると思います。

そして、「母体」と「赤ちゃん」は全く別枠での動きになるので注意が必要です。
母体に関しては、産後は清々しいくらい適当です。
毎朝問診に来て「体調どう?」と聞かれ、「問題ないよ」と言えば、いつでも退院できます。
ちなみに「貧血がひどいんだ」と言っても「そういうもんよ」と言われて終わりました。笑

対して早産の赤ちゃんは手厚いです。
とにかく慎重に慎重に様子をみて、確実に「大丈夫!」という状況になるまで「退院」という言葉は出て来ません。

長男は日本で出産し、3週間早く生まれました。
黄疸もあり、紫外線照射も受けました。
そして規定通りの退院の日、母子共に退院しましたが、実は少しこの時黄疸は残ってました。
産院からは「家でも日光に当ててあげてね」と言われ、東京の日光がなかなか入らないアパートで一生懸命日光を探して台所の上とかに赤ちゃんを寝かせたりして、「これで本当に日光足りてるのかな…」と不安に思ったのを覚えています。

早く退院したい私は「ドイツ手厚すぎるよ〜」とか思ったりもしましたが、過去の長男の事を思い出すと「むしろ有難いことか」と思い直すことにしました。

今回の話はあくまでも我が子の話であり、もちろん産まれた状況によって色々変わってくると思いますが、どなたかの一つの参考になれば幸いです。

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