ドイツ移住の目的 〜なぜ海外なのか、なぜドイツなのか。ママとパパの視点で答えます〜

移住

ドイツ移住の目的

めしママ

こんにちは、めしママです!

今日はなぜ私たちがドイツに移住したのか、理由をお伝えいたします。

はじまり

私たちは元々東京都品川区に住んでいました。

パパは仕事も忙しく、年の半分は家にいない状態。

ママは不動産会社に勤め、息子は0歳から保育園を満喫。

皆それぞれ、平和で多忙な日々を送っていました。

そんな私たちが海外移住に興味を持ったのは…いつからでしょうね?笑

結婚する前からパパも私も、お互い興味は持っていました。

パパの理由

(ここはパパに語ってもらいます)

おりパパ
おりパパ

自分は、仕事の事を考えると「一度日本から出なくては」と考えていました。

そう考えた理由は下記4点です。

そして僕が「なぜドイツに興味を持ったのか」もお話しちゃいますね。

①労働環境

僕は映像業界で働いていますが、日本で働いている時は、案件によっては本当に劣悪な環境でした。

時間がないから食事なし、2徹(徹夜が2日間続くこと)3徹は珍しくなく、長期の案件の場合は1週間以上休みなし、というのも常態化。久々に家に帰ってきた時には精魂尽き果てボロボロになって倒れ伏せる事もしょっちゅうでした。

それが、日本で撮影する海外案件や、海外クルーの絡む案件の場合は、同じ日本で行う業務でも全然違うんです!

海外案件のルール一例↓

◎ 6時間ごとに食事を出さないといけない
◎ その日の撮影終わりから次の日のスタートまでは10時間以上休まなければならない。
◎ 週に2日は休日を設けなければいけない。
◎ 1日の中で12時間を超える長時間労働になると、時給が雪だるま式に膨らんで行く。
 早朝手当、深夜手当あり、   …… などなど

労働者の権利がしっかり守られています。そして笑顔で仕事をしているクルーが多いです。

対して日本の案件は葬式の参列者みたいな顔をして仕事をしている人が多いです。

パワハラ、モラハラも横行。

特にこの業界は身体が資本の世界ですし、「日本のこの環境で長く働くのは現実的ではないな」というのは日々身をもって感じていました。何よりも、仕事は笑顔でやりたいですしね。

②事業拠点が世界に一箇所という経済リスクと、多国籍の多様性の魅力

【経済面】

僕が痛い目を見たのは2008年のリーマンショック。

この時本当に仕事がなくなりました。

会社に守られていないフリーランサーとしてはこういった状況は本当に死活問題です。

もちろん「世界規模で経済が悪化してしまえばどこにいても同じ」かもしれませんが、世界の中に幾つか自分の事業拠点を構えておけば、例えばどこかの国が経済悪化した時のリスクヘッジになる、と考えました。

【仕事の楽しさ・選択範囲の多様さ】

日本一国でやっていても、その中で自分が楽しめる仕事の数や種類、面子には限りがあります。

なので、その範囲を広げたかったというのがあります。

例えば中国映画の場合、クルー構成は中国人、香港人、台湾人のミックスは当たり前(政治的には対立していても)、アメリカ映画やヨーロッパ映画も多国籍クルーは普通です。

海外から呼び寄せる、ということも日常茶飯事です。

だからこういうシステムの中で働きたかったですし、将来的に自分が日本に戻ったとしても、多国籍システムを日本に持ち帰りたいと思っています。

③経験

そしてやっぱり実際の海外経験です。

日本国内でいくら海外案件を多くやっていても、実際に海外で生活してみるのは全く別物です。

20代の頃から海外で生活してみたいとは思っていましたが、その頃はお金が全くなく実行に移せませんでした。

結婚して長男が産まれると、「はい、◯歳時検診、はい次は保育園申し込み、今日あんよが出来たの!次は予防接種、はい、誕生日…」という感じで 人生は確実に進んでいる と実感しました。

「お金がない」「まだここが足りない」とか言い続けて次の子が生まれ、家族に何かが起こり、ずっと言い訳をして、ある時鏡をみたら白髪とシワ満載の顔があって自分のしなかったことが亡霊みたいに付きまとうのだろうかと考えると、めっちゃ恐ろしくなりました。

せっかくフリーランスで仕事してるし、家族も元気なのだから、いまやらないでいつやるの!と腰を上げました。

④子育て

子供を日本で育てたくない。

自分がそうだからよく分かりますが、同調圧力に倣ってしまう時の日本の空気感、あれがもの凄く嫌いなんです。

建前と本音のギャップがありすぎる社会、風通しの悪い部分、これももの凄く嫌いです。

だから子供にはそういう社会では育って欲しくない、違う価値観で動いている世界があることを見せたかったというのがあります。

なぜドイツ?

◎ドイツ人の印象

20代半ばでフランクフルトで行われた映画祭に参加した時に初めてドイツに行ったのですが、その時のドイツ経験がものすごく良かったのです。

ドイツ人は「今あるもので幸せになれる方法を知っている人たち」という印象でした。

アメリカは物質主義なところがありますね。物を持ってるいる人が偉い、みたいな。

◎他者との差別化

映像に従事するならアメリカが環境的には一番いいだろうというのは分かっていましたが、僕の周りの映像関係者で海外経験のある人はアメリカ帰りやアメリカ居住者が多いので、自分は他の国に行かないと差別化出来ない、差別してもらえないなと思ったこと。

◎経済大国、環境先進国だったこと。

リーマンショックで経済の大切さを思い知ったので、やはり経済がイケてる国でないと、という意識がありました。そして原発が爆発するという経験をした者としては、ドイツの環境政策はとても気になる点でした。

◎英語がそこそこ通じること。

ドイツ語は僕の家族の誰も話せませんでしたが、ドイツ人は英語はかなりの人が話してくれます。

◎ドイツ人の仕事関係の知り合いが少々いたこと。

日本でやった仕事を通じてドイツ人の映像関係者の知り合いができたり、ワーホリで日本に来ていたドイツ人とアパートシェアをしていたこと。(でもこれは「将来、ドイツに住むかもしれない」と思って、そういうアンテナを張っておいたのでした)

という感じです。

はい、またママにマイクを戻します🙂

ママの理由

みあママ
みあママ

はい。

私が『海外に住みたい』と思った主な理由は下記3点です

①ニュージーランドの経験

私は若い頃、ワーキングホリデービザでニュージーランド(NZ)に1年間住んだ経験があります。

その時に、60代の日本人のお母さんと知り合いになりました。

その方は50代の時に家族でニュージーランドへ移住してきました。(日本人一家、当時お子様たちは高校生だったそうです)

お父さんの「こんな高い税金ばっかり取って何も守ってくれない国にはいたくない。もっと自分たちを守ってくれる国に行くぞ!」という鶴の一声がきっかけだったそうです。

お母さんは高所恐怖症で飛行機にも無理矢理乗ってきたそうで「もう二度と飛行機には乗れないので、二度と日本にも戻れない」と言っていました。

そのご家族は実際に10年かかってNZでの永住権を獲得(NZは年齢が高くなるほど永住権をとるのが難しくなります)。私と会った時は丁度永住権が降りたところでした。

飛行機話も衝撃でしたが、何より私が衝撃を受けたのは彼らの老後の暮らし方でした。

年金暮らしでパパは毎日趣味のゴルフ三昧(NZはゴルフがとても安いんです。それも移住前に調査済みだったそうです)、都心から少し離れた自然豊かな広い家に住み、庭に動物を沢山飼って、空き部屋を日本人留学生などに賃貸しておしゃべりを楽しむ、という平和な日々を送っていました。

私がママさんに出会ったのは、私が働いていた日本食レストランでパートとして働かれていた時なのですが、それも「お金の為」ではなく「社会に関わっていないと平和ボケしちゃうから」という理由でした。

その暮らしぶり、心の余裕というのは、私が想像する「老後の生活」とは全くの別次元のもので、とても新鮮で目から鱗な体験でした。

そして「もっと守ってくれる国に行くぞ」という「自分で住む国を選ぶ」という選択肢とその実行力に出会ってから、私も「いつかは自分に合った国に住みたい」と思う様になりました。

②教育環境・子育て

【教育環境】

パパの方でも触れてましたが、これは私も同意見でした。

私もパパも、特に教育熱心なわけではありませんし、子供には「のびのび好きに育って欲しい」と思っているタイプです。

でもそれは、日本では通用しないのかな、とふとした時に感じます。

「個性を伸ばそう」という言葉は日本でもよく耳にしますが、協調性を重んじる日本ではどうしてもそこには壊せない壁があるように思います。

そして 日本にいながら世界を知るのには限界がある とも思っていました。

というのも私は元々、海外に興味はない子供で、英語も苦手。「海外に行くことはないし、英語も必要ない」と思っていました。(なので学生時代の英語の成績は酷いもんです)

ところが24歳の時に初めて海外旅行をした事をきっかけに、世界の広さを知りました。

そこからどんどん興味が広がり、今に至ります。

そして思うのは、「もっと早く知っていたかった」という事です。

こんなに世界が楽しいと知っていたら英語の勉強ももっと頑張っていたし、世界の広さというものを知ってから、正直性格も変わったと思います。(内向的な性格から外交的に。より適当になりました)

私もパパと同様、日本の典型的な考え方に囚われる事をとても窮屈に感じていたので、子供にはそういった考えに囚われないで、もっと自由に考えて、行動してほしい、世界の多様性を自然な形で身につけてほしい、と思うようになり「子育ては自分も子供も海外でのびのびやりたい」というイメージを持つ様になっていました。

【子育て】

あとパパも私も「子供は3人欲しいねー」という話をしています。(もちろんこれは授かりものなので実際に3人産むかはわかりませんが)

そう考えた時に、日本の子育て環境だと、とてもじゃないけど3人は経済的に無理が生じます。それこそ両親は働き詰めで子供の教育費に追われる日々。さらに最近の日本の子育ては、塾に通わせるのは当たり前、きっと我が子の世代は英語も喋れて当たり前、他に習い事をさせて他の子との差別化を図らなければ生き残れない。。

かさむ塾代、習い事代…と同時に自分の老後の貯金も考えなきゃいけない。パパはフリーランサーなので退職金もありませんし、何かあった時の保証も何もなく、その辺はとてもシビアです。

だったら、学費が無料の国に行けばいいじゃん?海外だったら英語も無料で自然に身につくし、一石二鳥!!というのが「海外で子育て」を意識したもう一つの理由です。

実際ドイツは、小学校学までほとんどが無料らしいです。保育園・幼稚園も最近無料になったそうです。(州によって異なるのではっきりは言えませんが)そして英語+ドイツ語+国際感覚が無料で手に入る!素晴らしい!というのが私のよこしまな考えです。

そして実際暮らしていると、日本より兄弟の数は多いなぁと感じます。

ドイツは日本と同じ少子高齢化…というイメージだったのですが、出生率は上昇傾向にあるようです。背景には外国からの移民も関係してはいますが、少子化対策の為の保育園の無償化だったり、出産・育児に対する金面的サポートの政策であったりが寄与しているのも確かだと思います。実際にこういう場面を目にすると、「3人欲しい。でも自分達にもゆとりが欲しい」という未来がとても現実的に考えられて、移住してよかったなぁと思います。

③自分の時間

これはパパの①「労働環境」にも繋がりますが、私自身も、日本の働き方にとても疲れていました。

仕事にやりがいもありましたし、忙しいのが嫌いな訳ではありません。(むしろ好きな方だと思います)

が、毎日毎日、仕事・家事・育児の繰り返し…自分の時間はない様なもの。

いつまでこの生活が続くのだろう?と考えると、自分の人生とは…?という疑問にぶち当たります。

職場で同様に働くママさん達も、心の中に同様の葛藤は持っていましたが、「今は仕方がない」「子供が大きくなるまで」と、子供の為の自己犠牲は当たり前。という暗黙の了解の元、皆様働かれている印象でした。

私もその自己犠牲を自然に受け入れられれば、「このまま日本で一生を終える」という選択肢もあったかもしれませんが、そういう時も私はNZの「自分にゆとりのある生活」の経験が脳裏によぎり、「東京が特殊な環境なんだ」と感じる様になり「自分にゆとりの持てる場所にいきたい」という結論に至りました。

みあママ
みあママ

私の海外移住の理由は以上です。

私の場合はパパよりもっと漠然としてるイメージですね。でも海外在住経験がある分、移住への気持ちのハードルはパパよりかなり低かったと思います。

ドイツの理由

では、海外の中でなぜ私たちはドイツを選択したのか?

パパの方でドイツの理由に触れてはいましたが、それでも最初から「ドイツ!」と決まっていた訳ではありません。

実際私たちは最初は米国移住を計画していました。

というのも、パパの職業を考えると「映像ならハリウッドでしょ!」という流れです。

冗談ではなく、本気です!

というのも、やはり「パパが仕事を最大限チャレンジできる」という観点と「映画業界で一番稼げる場所」という観点でいくと、やはりここは外せない市場だったのです。

その為、私たちは昔ロスにも視察に行きました。

実際住んだらどの辺りになるか、どういった生活になるのか、をイメージしながら、現地で働く知人にも会って話を聞いたりしました。

結果、二人とも「米国がベストか…?」という疑問にぶち当たってしまいました!笑

もちろん市場としてはとてつもなく魅力的だったのですが、その他の魅力がボロボロだったのです。

銃社会という事もあり、今後子育てするとしたらここではない。というイメージであったり(当時子供はいませんでしたが)、私自身は米国人のノリがちょっと苦手だったり、車社会というのも難関でした。(運転音痴なもので…)他にもロスは砂漠の様な所で水や緑が少ないし、、、と、挙げ出したらキリがなくなりました。

そして次に候補で出て来たのがドイツです。

ドイツは前述の通り元々パパが気に入っていて、「いつか住みたいな」とぼやいていた国なのですが、改めて調べてみると、とても素晴らしいではないですか!とテンションが上がる結果に。

世界でも珍しいフリーランスビザが取得出来る事、ビザ・永住権取得が比較的容易である事(現在は厳しくなってますが、調べた当時はまだ容易な方だったんです)、経済も比較的安定しているし、自然も多い。世界各国とお仕事して来たパパも「ドイツ人はやっぱり日本人と思考が似ているから親しみやすい」と性格もマッチ。

申し分なし!

という事で、こちらも実際に移住する2年前に視察に行きました。

そして実際に、自然の多さ、人の優しさ、人々の放つ人生の余裕、という所を肌で感じられ、「子育てするならドイツだね」という将来のイメージも湧き、ドイツになりました。

でもドイツ語…凹凹凹

という最大のネックはありますが、これらの環境を前に語学だけの為に諦めるのもナンセンス。

という事で、ここに関しては現在必死に頑張っております。

なぜドイツの中でもミュンヘンにしたのかは、下記記事ご参考にしてください。

最後に

この様な感じで、我が家の海外移住計画は実は実行するまでかなり長い時間費やしています。

これは別に、「いろいろ調べていたら時間がかかってしまった」という真面目な理由ではなく、「ダラダラしてたら時間がかかってしまった」というだらしない理由です。

そして結論。だらだらは良くないですね!

例えば、「米国にするかドイツにするか」で悩んでいる時、米国で大統領選挙があり、トランプさんが初当選しました。

それにより米国の状況は一気に変化し、それまで「おいでおいで!」と言ってくれていたパパの仕事関係の知人達から「今はこない方が良い」と言われる様になり、米国を諦めた、という理由もあります。

ドイツにも最初から目はつけていましたが、「最初は米国」というパパの気持ちを優先するあまり、最適な時期を逃したな、というのも正直思うところです。

というのも、ビザや永住権の取得のしやすさも知ってましたし、興味を持って調べ始めた当初はベルリンはまだまだ発展途上で、家賃も安く、かなり狙い目の都市でした。(不動産投資するなら今のうち!と私は叫んでました)

それがダラダラしている間に難民問題が急浮上、一気にビザは取りにくくなり、家賃は高騰。(ほらお家買っとけばよかった!)

我が家としても長男くんが産まれた事でさらに「子育てしやすい環境」を求める様になり、ベルリンがどんどん現実的ではなくなりました。(詳しくは記事3 ミュンヘン VS ベルリン 参照)

他にも色んな場面において、ダラダラしてたせいで様々な環境の変化、判断の変化がありました。

もちろん米国の事例の様に「だらだらしてたおかげで巻き込まれずに済んだ」というパターンもあるので一概には言えませんが、でもやはり自分が「やりたい!」と思った事は、さっさと行動してしまうのが一番です。

でないと、情報も状況も全て一瞬のうちに変わります。

そして新しい情報や状況を把握するのにまた時間と労力がかかります。

移住にはただでさえ時間とお金がかかるので、自分の意思で省けるものはどんどん省いていくべきだと私は思います。

そしてもう一点。

移住の現地視察は大切だということをとても実感しました。

私は「海外移住はいつかしたい」という程度で、国までは考えていませんでした。

なので、パパから「米国行きたい」「ドイツ行きたい」と言われたときも「どこでもいいよ」という気持ちでした。

ところが実際行ってみると、自分の住むイメージが湧く国、湧かない国がとても鮮明に伝わって来ました。

それにより、私は「ドイツがいい」「ミュンヘンがいい」と、自分の意思をしっかり持つ事が出来ました。

やはりネットで情報を漁るだけでは伝わらないものは沢山あります。

ぜひ気になった国、土地がありましたら、自分の足を運んで、その地の空気を吸い、人と触れ合ってみてください。

自分がその土地に適しているかどうかが分かると思います。

(視察について詳しくはこちら→視察の時にしておいて良かったこと

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