ビザの取り方、後編行きますよ〜!
K家はかなりしんどい道のりでしたが、結果として導き出した「これをやれば良い」をお伝えします!!
いやほんと、私たちの時も誰かこうやってまとめてくれてる人欲しかったわ…
ドイツの習慣
まず心構えとして絶対必要な、ドイツについてです。
以下の事を念頭において置いてください。
1、メールは返ってこない
2、返ってきても要領を得ない
3、電話は出ない
4、たまに英語は通じない
5、人によって言う事が違う
6、休日・休み時間が多い
7、融通はきかない
8、担当者、担当部署が変わっても、引き継ぎは行われない
これを最初に知っておくだけで、今後の作業が「ドイツだから仕方ない」と思えるようになり、だいぶ心が楽になります!笑
これを知らずに行くと、本当に日本の常識では考えられない事が多発するので、心がやられます。
これは、「役所だから」とかではなく、「ドイツ全体」に言える事です。
仕事、病院、学校、スーパー、、どこでもこれは付きまといます。
「日本人とドイツ人は似ている」ってよく聞きますよね。
そんなイメージで、「通じる」と思って行ったら大間違い!!
あくまでもドイツは異国である、という事を心に刻みましょう!!
ではこれを頭に入れたら、実際に取得の方法について見てみましょう。
ミュンヘン・フリーランスビザ申請書類
申請に必要な書類は以下の通りです。
・滞在許可申請書
・パスポートのコピー
・証明写真
・ビジネス計画書
・日本での実績をまとめたポートフォリオ(HPのスクリーンショットなども)
・3年間の収益予想
・推薦状、ディールメモ(契約書など)
・預金残高証明書(夫婦二人分、€ 換算したもの)
・最終学歴証明書(英語、もしくはドイツ語)
・履歴書
・モチベーションレター(なぜミュンヘンに住みたいかを簡単に)
赤字について次で詳しく説明します。
ビジネス計画書とは?
その名の通り「自分のビジネスをドイツでやって行くに当たって、どういう計画を練っているか」と言うプレゼン資料です。
これがとっても大事!
と言うのも、前編でお話しした通り、フリーランサーには後ろ盾がいません。
いかに外人局を説得できるかは、この資料にかかっています。
もちろん未来の事なので、ここで記載している内容に対して、「本当に実行できるかどうか」は問題ではありません。とにかく外人局を納得させられる、現実味があるかつ理想的なプランを練りましょう。
そしてそれを元に3年間の収益予想も作成し、「僕を滞在させてくれたら、これだけドイツで経済活動をする予定ですよ!」と言うアピールをします。
ただ、もしすでにドイツで業績やコネクションがある場合は簡単だと思いますが、K家のように「ドイツで仕事した事ないんです」という人に取ってはこれはなかなか難しい。
いかに資料を作り込んでも、信憑性がかけます。
それを助けてくれるのがこれまでの実績と、ディールメモ。
実績で、まずは自分はフリーランサーとしてしっかり生計を立てています、という事や、日本国外での仕事も行なっている(特に欧州で行なった仕事があったら猛アピール)という事を示します。(もちろんこのあたりは業種によると思うので、一概には言えませんが)
推薦状やディールメモは、実際に自分と仕事をしてくれそうなドイツの方達に、
「この人と一緒に仕事します」
「この人がドイツにきたら、このプロジェクトを一緒にやります」
と言うようなレターを書いてもらって、一緒に提出します。
これは多ければ多いほど良い!
おりパパは10枚くらい添付しました。
ちなみにこれは、仕事が実際に成立しなかったとしても構いません。
実際に行われたかどうかまでは調査されないようです。(明言はできませんが)
「本当にするつもりだったけど、諸事情でできなかったんだ」と言う事ももちろんあり得ますから。
(実際におりパパの仕事はカメラマンで、直前のキャンセルということも良くあります)
ただ、自分の事業に関係のある内容にしましょう。
そして、ディールメモの最後には一言「キャンセル・延期もあり得る」と添えましょう。
ちなみに僕が事業計画書を作る時は、”文章ではなく図面で見易さ重視”を意識しました。
審査官は毎日毎日いろんな資料に目を通すはずで、長ったらしい文章は嫌だろう、と思い、とにかく「パッと理解しやすい」を意識して、図面やグラフを使ったデザインにこだわりました。
翻訳は昔のルームメイトのドイツ人にお願いしました。
(持つべきものはGuten Freundlich!)
が、他の公式書類の翻訳は、国に認定されている特殊な翻訳家に依頼しないといけません。ご注意を!!
ちなみにそういう翻訳家さんのことを「認定翻訳士」というそうです。
下記ページに一覧になってますので、探して見てください♫
外人局は何を判断基準にするか?
ではそもそも、外人局は何を判断基準にしているのでしょうか?
これは単純、「お金」です。
ドイツに住まわせても、そこで生きていくお金がなければただのお荷物です。
・ちゃんとこの人はドイツにお金を落としてくれるのか?
・生活保護の対象にならないか?
という点だけがポイントです。
これは例えば収入が少なくても、逆に貯金が莫大にあったら、通る可能性があります。
「収益予想はちょっと頼りないけど、貯金だけでもミュンヘンで3年間は生きていけるお金がある!」
とかであれば、おりる可能性がある、と言う事です。
逆に言えば、貯金はゼロだけど、事業計画の収支ではちゃんと生きていけるよ!と言う場合は、よほどその事業計画の信憑性が濃くないと、取得は難しいかもしれません。
さらにミュンヘンはドイツでも一番物価が高い街です。
家賃だけでも簡単に家計は火の車になります。
なので、よりシビアにここは見てくると思います。
ちなみに、K家はミュンヘンで初めて取得したビザは1年間でした。
ベルリンの視点でいうと、「3年おりてもおかしくない」内容だったそうです。
これを聞いただけでも「ベルリンに引っ越そうかな…」と頭をよぎります…
それだけミュンヘンの視点は厳しいです…
書類申請の仕方
具体的な方法は、上記書類を、外人局(KVR)に提出したら終了です。
その後、フリーランスビザは、資料をIHK(商工会議所のような所)へ送られ、労働許可の審査に入ります。大体6〜8ヶ月との事。そして審査結果がIHKからKVRに返答され、メールが届く、という流れ。
最初はこの流れさえも全然分からず、四苦八苦しながら入手した情報です。
情報料欲しいくらい!笑
ただ自分の時は予約なしで2〜3時間並んで提出する、って事ができたけど、今なら予約が必要だと思います。その辺は最新情報要確認ですね。
結果が出たらおうち探しなどを初めて(これまた超ヘビー!!)、引越し準備が整ったら、また外人局に予約をとって、その日に合わせて引越しをすればOKです♫
なぜK家は大変だったか
さて、こうやって聞くと、「なんだー簡単じゃーん」と思えると思います。
ではなぜK家は大変だったかと言うと…
前述した通り、「ミュンヘンではフリーランスビザはツチノコ」だからです!!
まず、普通に外人局に「フリーランスビザ取りたいんですけど〜」と声かけを行うと、下記のような会話になりました。
え?ビザが欲しいの?
家はあるの?住民票は?
え?家が必要なの?
ビザがないのに住民票作るのっておかしくない?
でも家は必要だから、まずは住民票持ってきなさい。
と言うので、まずは家探しをしました。
なんだかんだで住民登録をし、いざ申請に行くと今度は別の局員に…
なんで住民登録してるの?申請期間中ずっとドイツにいるの?
でもビザないから3ヶ月しかいられないよ?
え、必要って言われたんだけど…
誰がそんなこと言ったの?いらないから登録解消してきて
ドイツあるある、人によって言うこと違うパターンです。
本当に気が狂いそうになります。
家探しについては別記事書きますが、
ドイツは本当〜〜〜〜〜に大変なんです!!!!!
こっちはビザがないのに家を探さなきゃならないので、人によっては詐欺師だ犯罪だなんだって言われたりしながら歯を食いしばって頑張って探したんです!!!
まじで「はぁぁぁ〜〜〜〜〜!?!?!?!?」てなりました!!!
この1ヶ月を返せーーーーー!!!!!!!!!!
他にも、「はぁぁ!?」の連続連続。
パパが取得の為に右往左往していた時は、予約がなくても並べば外人局の人と話をさせてくれる時間がありました。
そうやって聞くと「優しい時代」と思うかもしれませんが、現実は以下の写真です。
開局30分前とかから建物の前、早朝の薄暗い寒空の下に皆ぎゅうぎゅうに集まり始めます。
そして開局と同時に猛ダッシュ!!!!!
受付の前にいち早く並棒と、大人の大運動会です。
そして並んだら2〜3時間ただひたすら順番がくるのを待つ…という苦行の日々でした。
そしてやっと順番来たと思ったら「忙しいから聞いてらんない!メール送って!」と言われて帰されます。
「メール送っても返事がないんじゃないかー!!!」と皆同じ押し問答。
それでもいつか話が通じる人に出会えるかも、、という希望でパパは通いつめました。。
(そして奇跡的に出会って、なんとか話が進みました。だからこの時間も無駄ではなかった…はず)
と、とにかく書き出したらキリがないほど振り回されていたのです…!!!!
冒頭にお話ししたドイツの酷い事情+ミュンヘンフリーランサーの希少性が重なって、本当にタライ回しの日々でした。
外人局のドン引きエピソード集で一つ記事書けちゃうわ!
今度書いてみよーかな♫
K家、フリーランスビザ取得までの流れ まとめ
2017年4月 ドイツ視察
2018年3〜5月 おりパパ単身ドイツへ。
この頃は前編での適当コンサルにより、即日ビザがおりると思っていた…
ミュンヘンでは書類が色々と必要な事、審査に半年以上かかる事を知り、
急いでビジネスプラン作成、営業によりディールメモ収集。
そして家が必要と言われたので家探しを行い、住民登録。
そしたら「いらない」と言われて抹消作業。
諸々乗り越えて、5月に書類提出。
2018年7月 KVRから労働許可証発行のお知らせメールが届く
2019年7月 KVRに面接の予約を入れて、その日に合わせて渡独
これがおりパパが取得したフリーランスビザの流れです。
あとから見ると無駄が多いですね〜…
家族のパートナービザはこの後、別日に再度予約を行い、別途資料を提出して取得しました。
まとめ
1、ドイツ事情を広い心で受け入れよう
2、おかしいと思ったら人を疑おう
3、「住民登録」「住居登録」をしなさい、と言われたら、してはダメ!!!!
4、事業計画書は力を入れよう
ドイツ人には、日本の様に「マニュアル」がありません。
全てその人たちの記憶・知識・感性に依存しています。
なので、人によっていう事が違うし、役所の人に言われたとしても、それが正解とは限りません。
(あくまでもK家の主観ですが)
一つおりパパが得た方法としては「メモをとってもらう」があります。
これは、何か言われたときに、その文言をメモ&サインしてもらうのです。
そうする事で、他の人に何か言われたときに「だってこう言われました」と証拠が出せるのです。
(人によっては「私の言葉なんてなんの効力もないから書かないわ」という人もいますが、「それでもいいから書いてくれ!と頼みます。でないと先に進みません)
事業計画書に関しては、力を入れたほうが良いと思いました。
というのも、本来半年以上かかると言われた審査期間が3ヶ月未満で済んだのは、おりパパがこの計画書を思いっきり力を込めて作ったからだと信じているからです。笑
そんなドイツ・ミュンヘンフリーランスビザ事情。
これを聞いても「トライするぜ!!!!」」という方は、心の底から応援します。
ぜひ茨の道を突き進んでください!!!
(少なくとも私たちの時にはなかったこれらの情報があれば、少しはマシな…はず!!)
いつかミュンヘンでお会いできる日を楽しみにしております♡
そしてこのヘビーな体験談について語り合いましょう♡
本当におりパパお疲れ様でした〜〜〜〜!!!!
と、ありがとう!!!!!!!
パパすごーい!
その後の、家族のパートナービザの取得方法、延長申請の方法などなどについてはまた別に書くね♫
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