5時に帰るドイツ人、5時から頑張る日本人

めしママ
めしママ

今日は、熊谷徹さんの著書「5時に帰るドイツ人、5時から頑張る日本人」をご紹介します。

日本の常識はドイツでは非常識。

教えてもらわなければ分からない「ドイツの常識」を教えてもらえる一冊です。

長男
長男

少し発売日から日は経ってるけど、根本的な考え方は変わらないからとっても参考になるよ!

(2017年発売、出版社:SBクリエイティブ)

日本とドイツの働き方の違い

よく、「日本人は働きすぎだ」という言葉を耳にしますが、本当にその通りだと思います。

夜は終電まで働いて、残業は当たり前。
夜中も週末もお店は当たり前に開いていて、365日24時間、日本社会はガンガン動いています。

逆にドイツは、スーパーは、平日20時以降も日曜も閉まって街は完全に動かなくなるし、企業ですら平日も17時にはクローズ。なんなら金曜はもっと早い時間に閉まりますし、郵便局なんかお昼休みで1時間半閉まります。
越してきたときは「なんて不便なんだ!」と思ったりもしましたが(今でもたまに思いますが)、それで国民のオンオフがしっかり守られている、という背景を考えると、こんな生活も良いのかな、と思えてくるようになりました。

と言うのも、日本は良くも悪くも競争社会。
「競合が19時までOPEN」といえば、「自社は20時までOPENにしよう」
「競合が〇〇というサービスを始めた」といえば
「じゃぁ自社はそれに加えて△△のサービスを始めよう」
と、一分一秒を争って切磋琢磨しているイメージです。
そしてそうやって他国にはないスピード感で、新しい技術・サービスを開発・提供出来ているのだと思います。

本当に日本の技術・サービスは素晴らしいと、海外に住むと実感します。
日本のニュースを見ても、近未来の世界を見ているような感覚に陥るほどです。
でもそれは、前述した通りの競争社会、それを実現している従業員一人一人の「仕事命」の姿勢があるから、ということも、海外に住んで実感する事の一つです。

ドイツ人は「仕事命」ではありません。
「家族命」「自分命」「ストレスフリー命」です。
自分の人生やそれに付随するもの達が脅かされるようなことはあってはなりません。
なので、休日はとっても大事です。
週末は街は完全にオフになるので、街中はリラックスする人々で溢れかえります。
公園も、団欒を楽しむ家族でいっぱいになります。

私は日本に住んでいる時、「仕事を頑張ることで、お金をもらい、自分の人生を支えている」と思っていましたが、ドイツ人を見ていると「自分の人生を豊かにする為の手段として仕事がある」のだなぁ、と思うようになりました。

ドイツに住んでいると「何当たり前なこと言ってるの?」と言われそうな考えですが、悲しいかな、日本という環境は、私が昔持っていた思想を自然と植え付けられている気がします。

5時に帰るドイツ人、5時から頑張る日本人

今回ご紹介する本は、

なぜドイツ人は5時に帰れるのか。
なぜ5時に帰ってもドイツは経済大国なのか。

なぜ日本人はこんなに働いてるのに、一人当たり名目GDPランキング24位で、
働かないドイツが17位なのか。(現在最新値2020年)

日本の働き方の改革について。

などなど「なんでー!?」と思う事を、著者の視点&ドイツの風習・法律などの観点から丁寧に解説してくれます。

日本では「当たり前」だった常識が、一歩外に出ればそれは「常識」ではなくなります。
でもドイツでは「常識」なので、改めてそれを教えてくれる人はもちろんいません。
なのでこういった本を読む事で、ドイツへの理解を深める事が出来て面白いです。

こういう人にオススメ

・ドイツ在住者(特にまだ年数の浅い方)
・ドイツ就労者(就労予定者)
・ドイツ就労雇用者
・働き方改革を目指している方、企業(所在地問わず)

特に3つ目!!!
3っつ目!!!!!!!!!

声を大にして言いたい。

読んで欲しいです。

ドイツで従業員を雇う予定のある日系企業の日本の上司、人事の方々にはバイブルとして提供したいくらいです!!!!!

なぜ私がここまで言うかと言うと、、自分も被雇用者だからです。
私は日系企業の会社に雇われ、ドイツで仕事をしています。
従業員は私一人。
一人でドイツ企業といろいろやり取りをまとめ、日本へ報告したり、指示をいただいたりと言う仕事をしています。そして毎回思うのが…ドイツ人と日本人、マジあわねぇ!!って事です。


とにかく日本人の仕事スタイルは時間を使う。
石橋を叩いて渡る。
詳細なデータを揃えて、スケジュールを立てて、緻密な計算を行って実行に移す。

対してドイツ人は、そう言うスタイルは「時間の無駄遣い」と大嫌い。
「そんな事調べてる時間にも貴方の時給は発生しているんだよ?もっと有益なことしようよ」と言うスタイルです。

そして休みはがっつりとるので、「担当者は休暇に入りました」と言うことも日常茶飯事。
さらにその際に、

担当者
担当者

私は◯月◯日からX月X日まで休暇でいなくなります。
代理で△△さんにお願いしましたので、例の案件については彼に問い合わせ下さい

なんて親切なことはほぼ起こりません!!!!
ある日連絡をすると突然「休暇中です。ちょっと待ってね!」と自動返信が来ます。
もちろん他の人に聞いても「担当者が戻るまで待ってね」的な感じです。

なんなら会社自体が休暇で動かなくなったりするのも日常茶飯事です。

そして日本みたいに「お客様は神様」ではありません。
ドイツでは「お客様も対等」なのです。
なので、日本のように「自分はお客だから優遇してくれるはず」と言うのが当たり前の姿勢で行って「この人面倒臭そう」とか思われると、平気でメールの返事も来なくなります。
なんだったら忙しかったら電話も出ません。
そうやって仕事をばっさり取捨選択して行くことで効率化を図っているのです。

でもこれが日本側には伝わらない。
「なぜ答えがもらえないんですか」
「担当者が休みなら他の人に聞いて下さい」
「いつまでに返事をもらって下さい」
全て日本の常識ベースです。

「ドイツ人は日本人と考え方が似ている」とよく日本で耳にしますが、それも影響していると思います。
「ドイツ人は考え方日本人なんでしょ」みたいな。
これは大きくはっきり、違います。
あくまでも「外国人の中ではドイツ人は日本人の考えに近い」というだけであり、外国であることは変わりないのです。これは私自身も、移住して気付いた事なので、これを日本に住んでる人に理解しろ、というのも無理なのも分かりますが…でも、違うものは違うのです。

正直このたった約2年半のドイツ生活で、「現地が合わない」よりも「日本企業とドイツ企業のやりとりに疲れた」と言って潰れていく駐在さん、何人も見ました。。。(実際それで転職した人とかも)

この問題の難しいのは、実際に体験しないとわからない、と言うことです。
私たち従業員側がどんなにいっても、「言い訳」「甘えてる」と捉えられるのも簡単です。

なので、せめて第三者の視点から、そしてしっかりと裏付けされた証拠も羅列された本書を、日本側の責任ある方々にはぜひ頭に叩き込んで欲しいと思うのです。

めしママ
めしママ

なんか半分以上愚痴になってしまったー!!!
でも本当にそう思うんです!!
ドイツの従業員を雇う人には、その責任というものがあると思います。
従業員が住むのはあくまでも「海外」。

日本の常識が通じないところにいるのだということをしっかりと意識して欲しいですね。

今回の本は、ドイツと日本の働き方の違いを的確にまとめた一冊です。
日本側もドイツ側も、ぜひ読んでみて下さい♪

長男<br><br>
長男

ママはそんな日本気質が嫌いでドイツにきたはずなのに、なんでまた日系企業と働いちゃってるのか、毎日頭を悩ませてるよ♪ 人生って不思議だね!

合わせて同著者の本に興味がある方はこちらもどうぞ~↓

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